~とあるはなしシリーズ~
投稿者さまからよせられたお話しです♪
結婚生活10年目の頃。
妻の実家に一緒に帰省し、楽しい時間を過ごしたときにそれは起こった。
帰る日になり、お土産を買おうと最寄りの駅ビルに寄った。お土産をどれにしようかと迷い、選ぶのに熱中していると、いつの間にか妻の姿が見えなくなっていた。
僕の自慢の妻は「有村架純」似で性格はとてもおしとやかである。たとえば、僕といる時は決して僕に断わりを入れずに物を買わないくらい、つつましやかな女性だ。決して突然いなくなることなんて今までに一度たりともなかった。
最初はトイレにでも行っているのだろうと思い、気にしなかったが、しばらくしても帰ってこなかった。
まさか…………………………誘拐や事件に巻き込まれたのか!?
不安になり、店中に響くほどの大声を出して、必死に妻を探した。
駅ビルは3階あり、1階、2階、3階と探し回った。
しかし、妻は見つからず、館内アナウンスをしてもらおうとしたとき、見覚えのある後ろ姿が見えた。
近づいてみると、やっぱり妻だった。
そばに誰かいるわけではなさそうなので、誘拐や事件に巻き込まれたわけではない。
「黙って居なくなるなんて、何していたんだ…」と思った次の瞬間、私は絶句した……………………………………
なんと、妻の手にはソフトクリームが……………!!
しかも、子供みたいにソフトクリームをくわえ、口の辺りは真っ白になっている。
なんと、あんなにおしとやかだった妻がソフトクリーム食べたさに黙って姿を消したのである。
妻:「えへへ。ソフトクリーム食べたくなっちゃって」
私:「(心の叫び)ソフトクリーム食べたくなっちゃってじゃなーい!誘拐や事件に巻き込まれたのかと思っただろ!しかも、ソフトクリーム食べたいんだったら言えよ!ビル中探し回ったのがバカらしいだろ…行く先行く先、他の客にジロジロ見られたし…」
「はあ…」とため息をつくと、妻は私にニコニコしながら「食べる?」と聞いてきたので、呆れて、一緒にソフトクリームを食べた。普段はおしとやかで芸能人でいうと「木村多江」さんのような、私の3歩後ろをついてくるような人だが、この時は突拍子もない行動をとったので正直驚いた。しかも、絶対にそれまでは自分勝手には物を買わなかった妻が初めて買った物が子どもみたいにソフトクリームだったこと。
また、今でもソフトクリームだけは私の知らない間に勝手に買い、子ども見たいな顔をしてかぶりついて食べている。
「正直、勝手に居なくなるのは勘弁してくれ…子供か…」と思った。
「そして、結婚して34年の今でもそれが変わらない。すなわち、旅行でも何も買わないけれど、ソフトクリームだけは、僕の知らない間に勝手に買い子ども見たいな顔をしてかぶりついて食べている。」としめくくってくれました♪
子どものようにソフトクリームだけ、こそっと買って食べちゃう奥さんかわいいですね♪